【実体験】認知症の両親の特養を3か月で探した方法|仕事と介護を両立した流れ

※本記事は、筆者が両親の介護施設を探した実体験をもとにしています。制度や施設の対応は、地域・時期・本人の状態によって異なります。最新情報は自治体、地域包括支援センター、各施設へご確認ください。

認知症の親の施設を、限られた期間で探さなければならない。しかも仕事を続けながら、両親それぞれの入居先を決める——当時の私は、そのような状況に直面しました。

家庭の事情で実家を手放すことが決まり、母と父の特別養護老人ホーム(特養)を同時に探すことになったためです。両親の入居先は約3か月で決まりました。結果として、両親は別々の特養へ入居しました。

この記事では、地域包括支援センターへの相談から候補探し、仕事との両立、費用の確認、入居後の様子まで、実際の流れを振り返ります。

結論|最初に地域包括支援センターへ相談する

認知症の親の生活に小さな違和感を覚えたら、できるだけ早く地域包括支援センターへ相談することをおすすめします。

わが家では、地域包括支援センターの担当者が状況を整理し、介護サービスや施設探しの手配を進めてくれました。自分だけでは何から始めるべきか分からない時期に、専門職とつながれたことは大きな支えでした。

最初に相談へつながった経緯や、介護認定、看護小規模多機能型施設の利用、父の見守り体制については、地域包括支援センターに相談した実体験で詳しくまとめています。

また、親族・友人・同僚・上司など、信頼できる人に事情を伝えて孤立しないことも重要です。

施設探しを始めたきっかけ

施設探しを始めた直接のきっかけは、家庭の事情で実家を手放す必要が生じたことでした。両親の入居先を探し、その後、実家の明け渡し期限までに自分の住まいも確保しなければなりませんでした。

知らない地域へ移るより、できるだけ本人たちに馴染みのある土地で暮らしてほしいと考えていました。本人が可能な範囲で楽しみや自由を持てることも、施設を探すうえで重視した点です。

施設を探し始めた当時の両親の状態

施設探しを始めた当時、母は要支援1でしたが、その後、要介護3になりました。父は要介護3でした。

母に見られた生活上の変化

  • ティッシュやトイレットペーパーなど、同じ物を大量に買い込む
  • 看護小規模多機能型施設の通いから帰宅した直後に、また外出しようとする
  • 一人で入浴することが難しい

急な状態の変化にはさまざまな要因が考えられます。私の場合は精神的な負担も影響したのではないかと感じましたが、原因を自己判断せず、医療・介護の専門職へ相談することが大切です。

地域包括支援センターに伝えたこと

地域包括支援センターには、主に次の事情を伝えました。

  • 実家を手放すことが決まっており、時間の余裕がないこと
  • 両親とも介護が必要であること
  • 本人たちに馴染みのある地域を希望していること
  • できるだけ早く入居できる施設を探したいこと
  • 仕事と介護の両立が難しくなっていること

担当者は実家に近い地域を中心に、条件に合う特養を探してくれました。候補は3施設ほどで、その中から最も早く入居できる施設へ申し込みを進めました。

看護小規模多機能型施設の利用で仕事中の負担が軽減した

看護小規模多機能型施設の利用が決まる前は、仕事中に両親から頻繁に連絡が入り、途中で仕事を抜けることが何度もありました。仕事と介護の両方に気を配り続ける状態は、精神的にも大きな負担でした。

母が看護小規模多機能型施設の通いを利用するようになってからは、施設からの連絡を除けば、仕事中に両親から連絡が入ることはなくなりました。介護サービスは本人のためだけでなく、家族が働き続けるためにも重要だと感じます。

職場へ早めに事情を伝えた

私は職場の上司や同僚へ家庭の事情を伝え、電話対応や急な休み、勤務途中で抜ける場合に配慮してもらいました。

介護休業制度は、会社の制度上、給与への影響があったため利用しませんでした。一方、特養の手続きで平日に休む必要があるときや、母が看護小規模多機能型施設の通いを利用している間に自分を休ませるためには有給休暇を使いました。

利用できる制度や給与への影響は勤務先によって異なります。人事担当者や上司へ早めに確認しておくと安心です。

特養の候補は約3施設だった

両親を同じ施設へ入居させることにはこだわりませんでした。期限があり、実家での生活を続けられなくなるため、まずは入居できる場所を確保する方針にしたからです。

母の入居先が先に決まり、その後、父の入居先が決まりました。最終的に、両親は別々の特養へ入居しています。

見学できず、費用を優先して確認した

時間がなく、候補施設を事前に見学することはできませんでした。その中でも必ず確認したのが費用です。

私が確認した基準は、両親それぞれの年金の範囲で支払えるかどうかでした。結果として、私からの持ち出しはなく、両親の年金の範囲で入居できました。

ただし、費用は本人の所得、要介護度、居室の種類、各種負担軽減制度、医療費や日用品費などによって変わります。「特養なら必ず年金だけで足りる」とは限りません。申込時には月額の目安だけでなく、追加費用も確認する必要があります。

父の入居が決まるまでの約2か月

母の入居が決まったあと、父の施設が決まるまでには約2か月かかりました。その間、父は自宅で生活していました。

徘徊の心配はなかったため、同居していた私が食事を用意しました。スーパーやコンビニで弁当などを購入し、父に食べてもらう生活です。

実家の具体的な明け渡し日は、施設探しの途中で決まりました。期限は決定から1〜2か月ほど先でした。両親の入居が完了してから自分の住まい探しを始め、約1か月で、明け渡し期限より前に住まいを決めることができました。

説得よりも、不安を強めないことを優先した

両親が施設へ入りたくないことは分かっていました。正面から説得すると抵抗が強くなる可能性があると考え、無理に納得させることより、不安を強めずスムーズに移動できるようにすることを優先しました。

当日はタクシーで施設へ向かいました。施設の職員の方々は、両親が不安にならないよう、明るく温かく迎えてくれました。

認知症の方への伝え方は、その人の状態や性格によって異なります。家族だけで判断せず、担当者や施設職員と事前に相談し、本人の尊厳と安全に配慮して進めることが大切です。

入居後、父が帰宅を求めた

父は入居後しばらく、夕方になると家へ帰りたがる状態が続きました。期間は1か月ほどです。

父は短期記憶が薄れていく様子があり、職員の方は「今日は検査入院だから泊まっていくんだよ」と、その都度安心できるように声をかけてくれました。その後、帰宅を求めることはなくなりました。

母には強い戸惑いや帰りたがる様子はありませんでした。なんとなく、以前の家へは戻れないことを理解していたように感じます。

両親の入居後、自分の生活に集中できるようになった

両親が特養へ入居したあとの最も大きな変化は、自分の仕事や生活に集中できるようになったことです。

入居前は、仕事中もいつ連絡が来るか分からず、常に気を張っていました。入居後は施設から必要な連絡を受ける形になり、日常生活の見通しを立てやすくなりました。

施設入居を決めることには迷いや罪悪感が伴うかもしれません。しかし、家族だけで抱え続けることが、本人と介護者の双方にとって最善とは限りません。

事前に知っておきたかったこと

当時の私が事前に知っておきたかったのは、年金の範囲でも入居できる施設があるということです。

もちろん、誰でも同じ条件で入居できるわけではありません。それでも、費用を理由に最初から施設を諦めず、地域包括支援センターや自治体の介護保険窓口へ相談する価値はあります。

急いで施設を探すときに伝えること

相談時には、次の項目を整理しておくと状況を共有しやすくなります。

  1. 入居を希望する期限と、その理由
  2. 要介護度と認知症の症状
  3. 現在の生活で困っていること
  4. 希望する地域
  5. 年金や収入の範囲、家族が負担できる金額
  6. 仕事や家族介護の状況
  7. 本人が大切にしている生活習慣

緊急性を具体的に伝えることで、担当者も優先して確認すべき条件を把握しやすくなります。

特養が見つからない場合は選択肢を広げる

特養は費用を抑えやすい一方、地域や状況によっては待機期間が長くなることがあります。期限が迫っている場合は、ショートステイ、介護老人保健施設、有料老人ホームなども含め、つなぎの選択肢がないか専門職へ相談してください。

施設探しを一人で抱えないために

地域包括支援センターに加えて、無料の施設紹介サービスで複数の候補を比較する方法もあります。紹介できる施設の範囲、受け入れ条件、月額費用や追加費用を確認し、自治体や専門職から得た情報とあわせて判断してください。

よくある質問

親に小さな違和感を覚えた段階でも相談できますか?

相談できます。介護認定を受ける前でも、地域包括支援センターは高齢者の生活や介護に関する相談窓口です。買い物、入浴、外出、金銭管理などに変化が見られたら、早めに相談すると安心です。

特養は年金だけで支払えますか?

わが家では両親の年金の範囲で支払えましたが、すべての人に当てはまるわけではありません。所得や要介護度、居室、負担軽減制度、追加費用によって変わるため、施設と自治体へ個別に確認してください。

施設は必ず見学した方がよいですか?

可能であれば、雰囲気や居室、職員の対応を確認できます。ただし、私のように時間的余裕がない場合もあります。その際は、費用、受け入れ条件、医療対応、面会、持ち物、追加料金などを電話や書面で確認してください。

両親は同じ特養へ入居できますか?

空室や本人ごとの入居判定があるため、必ず同じ施設に入れるとは限りません。わが家では早期入居を優先し、別々の特養へ入居しました。

まとめ|一人で抱えず、違和感を覚えた段階で相談する

約3か月で両親の特養を探す経験を通じて、最も重要だと感じたのは、一人で抱え込まないことです。

  • 親族、友人、同僚、上司など信頼できる人に相談する
  • 親の生活に違和感を覚えたら地域包括支援センターへ相談する
  • 期限、要介護度、費用、希望地域を具体的に伝える
  • 同じ施設にこだわらず、本人と家族の安全を優先する
  • 自分を休ませる時間も確保する

介護の状況は家庭ごとに異なります。だからこそ、早い段階で専門職や周囲の人とつながり、利用できる支援を一つずつ確認してみてください。

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